私は大和でキセルガイの生息場所を見つけており、時々その数をこげらだよりの自然情報に出しているように、陸生貝には興味を持っているので今回(9月1日)の研修会、陸生の貝の話、講師、大原健司先生は待ちに待った催しであった。
研修会の参加者は7名で大原先生に申し訳ない気がしたが、この人数では野外観察採集時、講演を聞く時にも、個人授業を受けているようで、話の途中に口をはさんで質問が出来る、合いの手を入れる、というような調子で結果としては大変結構なものであった。
講演は、大原先生の自己紹介を兼ねた、マチカネワニ発見の話から始まった。その学名の命名について語られ、神話民俗学を想い起こさせる導入であったことが、それから続く話の内容を期待させたのであった。大原先生の専門はカタツムリである。カタツムリの話をするにはカタツムリの誕生、その時代の地球はどうだったか、という所から話は始まる。
ストロマトライトというバクテリアが光合成を始め酸素をつくりだす。4億年前オゾン層が出来て紫外線を遮る。そこで海生生物が陸に上がり始める。この頃のカタツムリは絶滅し、現在とつながるカタツムリは1億年前に誕生している。この部分のキーワードを先生は光合成、オゾン層の誕生とされている。オゾン層の破壊は恐ろしいことなのだ。
そんなカタツムリは大陸移動、造山運動、氷河期と共に複雑な分布をしており、極地を除くほとんどの地域に分布している。これが先生のカタツムリを求めての世界駆けめぐりになるのだ。カリブ海には肉食のカタツムリがいる、セルビアやクロアチアへも行った、シリアの世界遺産パルミラ遺跡にもカタツムリはいた、シルクロードと同じようにカタツムリも人と共に移動したのではないか等、面白く興味深い話であった。カタツムリの分類、構造、雌雄同体恋矢の話など面白いが長くなるので各自でお望みだけお調べ願います。
私達が使っている五円硬貨、五十円硬貨には穴がある。この穴の始まりは中国の殷だったか商の時代だったかの貝貨が始まりだそうだ。それに穴をあけてひもを通して人々は持ち運んだ、それが硬貨の穴として今に残る。西洋のコインには穴のあいたものはない、こんな貝の話で講演は終った。所々ジョークも交じりゆ貝であった。
寺の裏山での観察採集では貝はほとんど見つからなかったが、お寺のシイタケ栽培の場、古いほだ木の下やその附近でシリオレギセル、クチベニマイマイ、ヤマタニシ等を見つけることが出来た。当日採集したものは井上メモに詳しい。
9月15日、今月の例会解散後、ときわ台から田中代表と歩いて、大和のキセルガイポイントを経て帰って来た。直前に雨が降ったが、降り具合は弱かったようで、街もポイントもあまりぬれてなかったが、キセルガイは11匹いた。大原先生はこのポイントのキセルガイの殻を見て、大型だなあと言われた。(澤山)
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