寒いし、きつそうだし、参加者は少ないだろうと思って集合場所へ行ったら、予想通り、男4人、女1人。まずは、集合場所のすぐ前にある人工の水場をのぞきに行く。カワニナやメダカがいる。また、縁が赤くなっている浮草がたくさんある。
寒風の中、火葬場への急坂を登り始める。法面に植えられているトウネズミモチの黒い実がたわわになっている。ハラビロカマキリが歩道の上でよれよれになっている。澤山さんが道の端に移し、葉っぱの布団をかけた。東を見ると舎羅林山がここと同じぐらいの高さで見えている。「標高が高いので寒い」と誰かがいう。それに風あたりも強い。東ときわ台から箕面森町へと続く家並みが良く見える。随分高いところに家を建てたものだ。道端からヒヨドリジョウゴの赤い実がいっぱい顔を出す。手のひら大の葉が落ちている。クズの葉か?道路左側の斜面にはアケビがいっぱいなっている。しかし、時期を過ぎ干しアケビになっている。右下の法面に真っ赤な実を残す高木があるが不明。火葬場への道路上を右往左往しているので「ハイブリット車が来ると静か過ぎて分からんから怖いで」という話になり、それぞれの恐ろしい目にあったことを語る。
火葬場に着き、そこから関電の巡視路沿いに下っていく。丸太もどきで階段が作ってあるが落ち葉に埋もれて見えないので非常に危険だ。ホウノキの白っぽい樹皮が目立つ。太いアカマツ死にそう。坂を降り切った林縁にフユイチゴが赤い実をいっぱい付けている。うまい!これが冬の楽しみの一つ。ここは谷底。日が当らず寒い。以前は上流の叉谷池に登れたのだが、フェンスが張ってあって行けない。更に、巡視路、谷道にもフェンスが張り巡らされている。幸いにもフェンスの一部が破られていて通れた。土地の管理の問題があるのは分かるが、今まで人が良く通っていたところでは、フェンスを張ったところでこうやって破られることが多い。また、人が通らなくなると山が荒れて歩けなくなる。私たちの立場から言うと、自然に親しむ機会を奪わないでほしい。健康維持・増進のためにもいろんな山歩きコースがほしい。しかし、何でもかんでも奪って帰る人がいるので持ち主は嫌な思いをしているだろうし、ケガをした時などに管理責任を問われるということも出てくる。そうなれば、フェンスで囲うということになる。難しいところだ。
さて、フェンスの破れから巡視路に入り、急な階段を登り始める。又ここも落ち葉で階段が見えにくく危険。サルノコシカケの面白い模様をスケッチし、センブリの枯れたのを見て第1鉄塔に着く。もう汗だくだ。かつて鉄塔の周辺は裸地が多かったがいろいろ茂ってきている。クサギが大きくなっているのが目立つ。
しばらくゆるいところを歩く。シキミ・サカキ・ヒサカキここには神仏用の木がそろっている。直登せずに巻くように進む。アカマツの倒木が多い。ウグイス地鳴き。コナラの太い木があり、樹皮がアベマキのようになっていたので触ってみると下は腐ってボロボロになっていた。ヤブツバキの幹が白っぽく目立つ。幹がボコボコになっている木の、葉を地面に探した。葉の裏に毛が生えていたのでウラジロノキと分かった。エナガの群れが時折高いところでジュクジュクいっている。タカノツメ(三出複葉)の黄色くなった葉があちこちに落ちている。後でコシアブラ(掌状複葉で5枚の小葉)もあったので、違いが確認できてよかった。
2番鉄塔の近くにシラカシらしい大木があった。アカマツの枯れた大木にはツガサルノコシカケがついている。炭窯が崩落している。まだその上に植物が生えていないので崩れてからそう経っていないのではないか。少し下り、叉谷池の源流部に出る。薄暗いスギ林。クリノキの残骸があちこちに横たわる。そのわずかな光の中にヤブムラサキが頼りなく立ち、フジが地べたを這い、アキチョウジが青々としている。ホウノキの落ち葉が薄暗い中で白っぽい葉の裏を見せることによって道を明るくしているように見える。シラカシとコナラの大木があり、頭上を走る高圧線が北西の季節風にうなり声をあげている。
鳥脇山~岩根山ルートに出る。ウリハダカエデ、コシアブラ、コアジサイなど舎羅林山ではお目にかかりにくい木がどんどん出てくる。アカガシの立派な木がある。7本に株別れしている。樹皮のめくれ方がケヤキのようだ。妙見山にはあるが舎羅林山(265m)では見られない木だ。このあたりだと標高400mほどだろうか。
第3鉄塔へ出る。頂上まで200mとある。お正月に使うウラジロがいっぱいある。今度はウリカエデ(樹皮をウリに例えたもの)があった。少し前に出たウリハダカエデは「樹皮は暗い青緑色の模様があり、この模様の色が、マクワウリの未熟な実の色に似ていることからウリハダカエデの名がある」とネットにあるが、いつも混乱している。
さて最大の難所、直登の急坂。上から一人ハイカーが下りてくる。我々中高年たちはなんやらカンやら文句を言いながら登りきる。山頂、抜けるような青空。西日がきつく、まぶしい。おやつを食べお茶を飲む。澤山さんがバカボンのパパのまねをしておおうけ。Tanaさんの記念写真に皆で収まる。「今は西日で明るいがあっという間に暗くなるでぇ」と下山を急ぐ。
急坂は避け巻いて降りる道を選択。尻もちをつく人もあったが怪我無く岩根山への尾根へと出る。ツルリンドウが群生。花も実も観察。クチベニタケとカノシタ(キノコ)を視る。澤山さん曰く「カノシタはシカの舌という意味だが、なぜシカをカノというかと言うと、昔は猪も鹿も、シシと呼んでいて、区別する時には猪をイノシシ、鹿をカノシシといっていたようで、このキノコはシカ=カノシシの舌に似ているのでカノ・シタになった。また、シシおどりというのがあるけど、シシやのに角があるのは、カノシシ=シカ踊りだから角があるということらしい。」そんな話をしながら薄暗くなりかけた林道を降りた。
赤松の棚田の上に出る。そこから北~東を見ると知明山・高代寺山・妙見山・天台山などが浮かび上がっている。良い眺めだ。廉さんがいたら「残照、おれたちの人生かな」って言うだろう。棚田のカキをツグミが食べていた。熟柿でおいしそうだ。そのすぐ横の民家の裏にマクキヌガサタケというキノコがあるからと井上さんに案内され見る。北からカラスが8羽帰ってきた。我々も帰ろう。皆は忘年会、私は用事があって急いで帰る。寒かったがいい夕暮れだった。
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