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川西自然教室

兵庫県川西市で活動する「川西自然教室」の公認ホームページです。 里山、野鳥、蛍(ホタル)、野草、きのこなど、地域の四季折々の自然を楽しみ ながら、毎月いろいろな行事やイベントを行なってます。

   

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【番外編】自然体験環境学習のお手伝い

子どもたちは川遊びがお好き

 小学3年生を対象にした自然体験環境学習のお手伝いを8年前からしている。学習なんて呼ぶほどの大袈裟な授業ではなく、「勉強っぽくなく」「川遊びを楽しみながら自然と触れ合う」青空教室である。とは言っても「良い子は川で遊ばない」の立て看板が川沿いに立っているご時勢ですから子どもたちを事故から防ぐための監視が大切な役割で責任は重い。

 今年も例年通り6月29日清和台小学校の3年生62名が石道の野尻川にやってきた。野尻川は猪名川の支流で川幅が10m-20mの小川、岩場あり葦の群生ありで生き物もたくさん棲んでいる清流である。子供たちは学校から30分ほど歩いて川にやって来た。金魚すくいに使うような小さな網とペットボトルを改造した水槽を手に川面に下りた子供たちのテンシヨンはすでにかなり高く、せせらぎの音が聞こえて静かだった河原は賑やかな「水辺の教室」となった。

 10班に編成され、昔の川ガキ(平均年齢70歳 川西自然教室から4名参加))が1班(6人)に1人指導員として遊び仲間に加わった。生き物が隠れていそうなところに引率して探検の範囲を決め、「班で行動すること」「走らないこと」など基本的なルールを話した。川遊びは始めての子どもいたが、怖がる様子もなくすぐ環境に馴染んだ。石の下や、水際の草の根っ子に生き物たちは隠れていることを説明しながら網の使い方を実践して見せた。流れは結構早く、生き物たちの姿は見えない。それでも、少し時間がたつとあちこちから「先生、見て 見て」「捕った 捕った」と歓声が聞こえた。

 「先生これ何」と水しぶき飛ばしながら子どもたちが僕のところに駆け寄ってきた。「先生とちゃう」「おっちゃんや」いつもながら子どもたちの「口癖」を正すのも面倒になって甘受、おっちゃん先生は、子どもたちの成果を褒め称え感動を共有した。水草の根っ子で動きの鈍い「カワヨシノボリ」や「シオカラトンボのヤゴ」「カマツカ」を捕った子どもが得意顔でやってきた。先生?はハンドブックを見ながら名前を確認。石を裏返していろんなトビケラを見つけて根気よく観察をつづけている子どもがいて嬉しくなった。最近は虫を毛嫌いする子どもが多いと聞いていたがそうでもないようだ。石の裏側にへばりついているカワヨシノボリの卵を見つけたときは大発見をしたような騒ぎで交代で覗き込んでいた。拡大鏡で観察させられなかったのは指導員として悔やまれた。小さな水生昆虫を石の中から徹底的にほじくりだして「探検」している生徒、ミズカマキリやミズスマシを手のひらにのせて遊んでいた女の子。みんな驚きと感動の連続で僕はそばでニヤニヤと子どもたちの表情を「観察」していた。

 環境学習のお手伝いをする前日、僕はいつも、レイチエル・カーソン著「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見張る感性」を読み直している。カーソンは子どもと一緒に自然と触れ合うときは、「何かを教えるのではなく、いっしょに楽しむこと、感激や神秘を子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合うことが必要」と教えている。指導するのではなく、見落としている小さな美しさや、「わくわくしながら」何か潜んでいそうなところに誘導する。のが「おっちゃん先生」の役目ではないかと解釈している。とにもかくにも、点数のことやいじめのことを忘れて夢中に「小さな発見」を求めて戯れている子どもたちの開放された表情を見ていると、愛おしく美しい。
 

 
 7月6日、けやき坂小学校の3年生68名が猪名川本流右岸、「せせらぎの水辺」にやってきた。ここは河川内に設置された巾5-8mの水路で恰好の水遊び場。10班編成で1班に1人指導員がついた。時おり小雨の降る悪天候で水量も少し増えていて、緊張感が走った。先週の予定が、大雨警報が発令され延期になったため子どもたちの楽しみとヤル気は倍増していて、こちらの心配をよそに好奇心をいっぱい背負って入水していった。

 野尻川と比べると変化がなくストレートな川で生き物は少ないのではないかと不安でしたが、以外や以外、カワムツ、オイカワ、ナマズにドジョウなど有名?な川魚をひととおり捕まえた。たくさん捕れたのは2-3mmの赤ちゃんシジミで同定用少し持ち帰り他は戻してやった。子どもたちの行動範囲は広がり、大胆になっていった。大きな石を裏返してトビケラを見つけ、深みに入ってオイカワの赤ちゃんをすくった。ずぶ濡れになって小さな生き物と対話している子どもたちの目の輝きは「これぞセンス オブ ワンダー」の世界であった。教室での子どもたちの行動はしらないが、川の中での子どもたちの集中力と好奇心は旺盛で尊く、自然とふれあいながら学ぶ「自然体験学習」の大切さを痛感させられた。自然から遠ざかり人工的なモノに振り回されている今こそ継続してほしい。

 お爺ちゃんと子どもたちとのやりとりが何とも微笑ましく、「昔川ガキ」の見事な網さばきに子どもたちは尊敬のまなざしで見入っていた。ほのぼのとした風景が猪名川の河原で展開され「地域で子どもを育てる」とは「コレ」やと思った。子どもたちが地域社会で育てられている、という実感が伝わってきた。こんな環境づくりを学校に任せるのではなく地域で広げることができればどんなに素晴らしいだろう。無心に「学習」する子どもたちの表情を見ながら、爺の夢を膨らませていた。しかし。後日、お世話いただいている中本さんから「協力してもらえる指導員がいなくてこまってんねん」と聞かされ、僕は何も答えられず、うなずくしかなかった。(萩原)




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