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川西自然教室

兵庫県川西市で活動する「川西自然教室」の公認ホームページです。 里山、野鳥、蛍(ホタル)、野草、きのこなど、地域の四季折々の自然を楽しみ ながら、毎月いろいろな行事やイベントを行なってます。

   

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川西市内一斉ゲンジボタル調査 2011年



 グラフをご覧になってほしい。18年間の調査で3番目に低い記録だ。でもこの数字はあまりあてにならない。ゲンジボタルの調査は基本的には1か所につき1回だけしか調査しないので、タイミングの良し悪しで大きく変化する。今年は、冬が厳しく、春が遅かったから、ゲンジボタルの羽化も遅かったように思われた。しかし、例年通り、第1週の土日を中心に調査したので、早すぎたかも知れないが、これだけの調査場所をヒメボタルのように毎日観察することは不可能なので、正確さをこの調査に求めることはできない。しかし、1か所1か所についてはその地でのその時点の記録として意味がある。
 さて、筆者が行った所としては、調査はしていないが、石道がある。川西市の自然ふれあい講座の下見で6月2日に行ったが、昨年ほどではないがかなり見ごたえがあった。4日に子どもたちが参加する本番があったが、同じぐらい出ていたように思う。調査はその時、正井・大森の両氏によって行われ392頭でまずまずの数だった。その後11日に正井氏が行ったところかなり減っていたということなので、石道はピークに近い時点で調査出来たのではないだろうか。
 筆者は、6日、一庫、山原、西畦野、赤松や猪名川沿いをまわった。山原は昨年56頭だったのにたった2頭。赤松は高原寺住職が事前に調べられたところ9頭だということだったが、23頭も出てくれた。これからまだ増加していく途中だったか。
 7日、黒川以北や龍化地区を調べたが、肌寒い感じで、全般的に少なかった。7月に例会を行う龍化地区は4頭だったが、例会の下見で2リーダーが21日に行ったところ 20数頭を数えたという。
 津山氏が4日に行った芋生川、柳谷川は昨年並みで多くもなかったのに、17名もギャラリーがあったとのこと。芋生川ではカジカの声が聞かれ、柳谷川上流部にあたるけやき坂高層住宅下の遊水池の下流で今回初めて3頭(平成21年に遊水池で3頭)発見された。
 同じく4日恵須川氏のグループは矢問川の赤坂池~篠山線で12頭、塩川は合流点からR173までで21頭。いつもそれなりに楽しめる西多田地区内では今年初めて0頭。猪名川本流は最低の1頭。「今年は例年になく少ないと感じました。気候の関係もあったと思うが、数日前の豪雨の影響が大だと思う。大きな川より西多田のような農地に沿って流れる水路はよりその影響が大きかったのではないか。」と恵須川氏は考える。
 5日畚野・田中廉チームは初谷川~大路次川へ。昨年の半分だったが、「見に来ている人が全くいない。あまり出ていないということを知ってるんや」。ギャラリーとホタルの関係というのも面白い。
 11日には井上氏が塩川を調査。昨年も少なかったがさらに今年は少ない。東多田地区内の水路も改修が行われ見られなくなったところが多い。上流部でやっと1頭。同じく11日、市原氏は最明寺川の満願寺付近を調査。47頭とここではまずまずの数。人出もあったという。(調査日が遅かったのがよかったのか?)
 13日には下流の南花屋敷付近を調査。人出はあったが、「駄目ですね」という言葉が交わされており、15頭。いつもいるはずのところにいなかったという。「厳冬で発生のピークが遅れ、調査のタイミングが合わなかったので少なかった」。あるいは「昨年の猛暑の影響で水温が上がりすぎ、幼虫が途中で死んだ」とも考えられなくはない。
 ゲンジボタルの場合かなり減少したとしても一転して増加することも経験しているのでそうは心配しないが、ただ、石道が今年で最後になると思うと残念で仕方がない。今年の場合、川西の訳43%を占めていた。石道の古い用水路に入ると長靴の下でブチブチと音がする。カワニナやヒメタニシを踏みつぶす音だ。この貝やヤゴ達をどうにか出来ないか。他所に混乱を与えない形で救出するにはどうすればよいか。アイデアがあれば教えてほしい。
 こんなに見事な蛍の光の帯がもう見られなくなるなんて。残念で、残念で、残念で仕方がない。
(平田)
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2011.06.23 第1回せっちゃんの植物三昧

 例会は時間内に一定のコースを歩かなければなりません。帰りの事も考えるとそうもゆっくりできません。植物に興味のある人がいると、先頭をゆく人と徐々に距離が開き、先頭には「待って下さーい」、植物に興味のある人には「早く、早く」となかなか大変です。やはりじっくり見ないと見過ごすことが多くあります。そこで今回、新しくスタートしたのがこの「せっちゃんの植物三昧」。ただ集合時間と場所、解散時間だけを決めて心ゆくまでじっくり見てもらおうという会です。

  さて、第一回目は清和台阪急バス営業所前に集合で「石道」に行きました。特に見たいところは第二名神で失われる場所です。何があったか知らないうちに開発されてしまうのは残念です。しっかり調べておきたいし、今からでも何かできる事はないだろうかと平田は思い、場所決めをしました。

  梅雨の中休みなのか、いいお天気で、大阪は最低気温が25℃で熱帯夜、最高気温は33℃の真夏日でした。しかし、外は結構風が強く、思ったより暑くなく、むしろさわやかでした。はじめに田中廉さんの挨拶兼主旨説明があり、出発。石道の入口までは我慢してサッサと行こうということにしたのですが、野尻川の橋の上あたりから徐々にスピードが落ち、石道温泉手前の白い花(ハナニラ)に引っ掛かってしまいそこから一気にスピードダウン。自動車も多いので、何とかけしかけてオービックスポーツセンターの道に入りました。ここからはもう気兼ねすることなく道端の草木を手に取って(手に取ったものがかぶれる恐れのあるヤマハゼやヌルデ)、図鑑と見比べ、確認していきました。今回はせっちゃんこと吉野さんだけではなく、植物に詳しい畚野さん、井上さん。それに分厚い図鑑を持ってきた田中廉さんも結構詳しい。はたから見るとかなり不思議な人々に見えたでしょう。

  一台の軽トラがゆっくりとやって来ました。正井さんが「観察会をやっていると説明すると、軽トラのおじさんは「すぐそこにあるビワの実が食べごろだからいくらでもとってもいいよ」と言ってくださった。どうやらここはアクセス道路にかかるようです。おじさんの好意に甘えてビワをいただくことにしました。甘い。みずみずしい。10人の男女はむさぼるように食べました。本当においしかった。

  ビワから元気をもらった10人は更にスピードを落とし、植物を観察し続けました。好き、興味があるということは恐ろしい。こんなにもゆっくり歩けるのです。多種類を見つけ出すことが出来るのです。小さなため池で大きなオタマジャクシを発見。アメンボウやイトトンボもいます。早速「生きている猪名川」で調べました。尾の先端がきれいな水色のものを探してみると、クロイトトンボとアオモンイトトンボの2種がありました。池の実物と見比べると、池にも2種類いて、オス・メス連結してヒシの葉の裏に産卵しているのがクロイトトンボのようで、それより少し大きいのがアオモンイトトンボのようです。

  池の反対側の畔に座り込んで図鑑と草を見比べている人。第二名神の計画図をひろげ、アクセス道路の位置を確認している人。記念写真を撮ろうという平田。ここでしばらく昼寝がしたいという人。アクセス道路になるのか、休耕田がありました。湿っけているので道端とは違うものが出てきます。また歩みは完全にストップ。そしてやがて解散の3:30。アッという間の二時間でした。次回はここから観察をスタートすることにして、畦野へ向かう人、清和台へ戻る人に分かれました。

  清和台に向かって戻りだした私たちの目の前をキジが飛びました。一同興奮。田の中ではカルガモが盛んに稲の分結しているあたりをくちばしでつついています。エサになるようなものがそこにあるのでしょう。フト横を見るとモリアオガエルの卵塊。三つあります。あれだけの人数で歩いていても視点を変えると新しいものが見えてくるのですね。畦野へ向かったグループはまたいろいろ植物を見つけただろうな。そんなことを思いながら真夏のような日差しの中での観察会を終えました。(平田)


せっちゃんの植物三昧〈石道〉 リスト

植物
あかね科 カワラマツバ(花盛り)、ヘクソカズラ  いぐさ科 クサイ、ハナビゼキショウ いね科 カズノコグサ(枯れた穂と茎)、カモジグサ、シマスズメノヒエ(実なりかけ)、チゴザサ うるし科 ヌルデ、ヤマウルシ、ヤマハゼ かたばみ科 オッタチカタバミ(花)、カタバミ、ムラサキカタバミ(花) かにくさ科 カニクサ かやつりぐさ科 ホタルイ、マスクサ(カヤツリグサ) ききょう科 ミゾカクシ(花) きく科 セイタカアワダチソウ、チチコグサモドキ、トゲチシャ、ノゲシ、ハルジオン(花盛り)、ハルジョオン(花)、ヒメヨモギ、ブタナ、ヨモギ きょうちくとう科 テイカカズラ(花) きんぽうげ科 センニンソウ、ボタンヅル くすのき科 ヤマコウバシ ぐみ科 ナワシログミ くわ科 イタビカズラ、コウゾ(実) うらぼし科 ワラビ ごまのはぐさ科 オオイヌノフグリ(実)、オオカワジシャ(枯れかけ) しそ科 ウツボグサ(花)、トウバナ(花終わりかけ) せり科 オヤブジラミ(花)、セリ、チドメグサ せんだん科 センダン たで科 アレチギシギシ、イタドリ、エゾノギシギシ、ママコノシリヌグイ(花) つつじ科 モチツツジ つづらふじ科 アオツヅラフジ とうだいぐさ科 ナンキンハゼ
どくだみ科 ドクダミ(花) なす科 ヒヨドリジョウゴ にれ科 エノキ ばら科 ソメイヨシノ

その他
アオサギ ウグイス カルガモ カワラヒワ キジ シジュウカラ ツバメ トビ ハシブトガラス(交尾中?) ホオジロ ホトトギス アオモンイトトンボ、クロイトトンボ(連結中)、ハラビロトンボ  ザトウムシ モリアオガエル(卵塊3個) ウシガエル?

加茂のヒメボタルの推移 ~2011年


 

2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
0   77 79 71 103 35 8 0 0 0 0 0
1 20 24 100 49 44 29 16 64 103 65 129 158
2 0 4 14 20 7 0 1 5 1 1 13 7
3 375 296 271 261 166 141 64 77 83 48 126 74
4 752 133 188 231 327 336 226 337 301 235 341 212
5 29 85 103 65 51 7 9 13 14 4 1 5
6 34 75 16 45 65 50 47 89 123 123 33 73
7 309 120 81 72 124 62 45 67 80 51 32 123
8 7 3 1 0 2 1 0 8 4 0 0 0
9 187 114 200 81 155 112 56 38 65 43 51 31
10 547 191 102 88 124 111 29 19 50 72 156 106
11 25 25 28 81 39 1 2 5   2 16 10
合計 2,285 1,147 1,183 1,064 1,207 885 503 722 824 644 898 799
※列は年度、行は調査場所の番号 ※1997-2000年度は集計方法が異なるため,参考値です。
 

2011.06.11 笹部例会報告

笹部は植物三昧にピッタリのところ
 
昨夜から大雨で、午前10時頃まで少し雨が残っていたので、開催が危ぶまれたが、うすぐもりで歩くにはちょうどいい天気。集まったのはリーダー2名と吉野さん、織田さん。織田さんはグリーンハイツから歩いて山下まで来られた。健脚だ。

出発しようとした時、吉野さんが幼稚園の裏の川沿いにわからない樹があるのでそれをまず見たい、と言い出した。即、ルートを変更し、現地へ向かった。川向うから生えて、こちらへ枝を張っている。各自双眼鏡を出して覗く。ブタは図鑑で調べる。牧野植物図鑑の線画のみで描かれたもので確認したところ、ケンポナシのようだ。ツボミがある。そこで「ああだ、こうだ」と20分ぐらいいただろうか。だんだん吉野さんのエンジンがかかってきて、周りも巻き込まれてきた。

改めてよくみると、初谷川の川沿いには大木が多い。鉄橋の上からはオニグルミやエノキが手に取って観察できる。「エノキ、半分っていうけれど、鋸歯が半分より下まであるのもたくさんあるね。」と吉野さん。覚えるのにはこのようなコツがある。

橋のたもとには、ケヤキの幼樹があり葉っぱを触れる。川沿いの大木を調べようと、川沿いに立ち並んだ家の間から垣間見れる大木を双眼鏡で見る4人。まるでノゾキをしているようだ。1か所、川へ出られる里道があり河に出て、確認。エノキ、ケヤキ、オニグルミ、ムクノキ、クヌギ、ケンポナシ等のようだ。一度、じっくり調べてみるのもいいだろう。
 
川から離れ、住宅地に出ても観察は続き、ナワシロイチゴを道路端に見つけたり、光福寺さんにツルウメモドキを見つけと、なかなか田んぼまで行けない。田んぼに出たら、早速、田んぼの観察。水の中には、ホウネンエビがウジャウジャいる。オタマジャクシも泳いでいる。畦にキノコがたくさん生えているが井上リーダーがいないのでお手上げ。カンサイタンポポとセイヨウタンポポの中間のような花があったり、コナスビの黄色いかわいい花や、ヨツバムグラの仲間を10分ほどかけて調べたり、既に「せっちゃんの植物三昧」状態になっていた。

澤山さんが猪の谷に入れないから、このあたりをウロウロして、皆で観察して、盛り上げたらどうか、という提案をしてくれていたのに、ちがう谷に行くといって案内を書いた著者だが、まだ笹部の集落に入っていないのに既に3:10。それでもペースを上げずに、電柱の根元の犬のおしっこのかかっていそうな所に生えているヤワラスゲの穂を「あっ、柔らかい」と言って喜んで触ったり、大昌寺さんの駐車場でオオヤマレンゲ、コナラ、イチョウ、エノキ、ニセアカシアやナギナタガヤを見ていた。

「さて、予定のコースの山に行くかどうか。」その辺でようやく行こうということになり、平野神社の樹木の観察はパス。しかし、山に入ってからもこの調子なのでなかなか前へは進まない。特にシダ類が多い。詳しくはリストを見ていただきたい。

大雨の後だったので道の状態を心配したが、思ったよりましだった。30分ほどで尾根道に出て、242.2mの4等三角点を確認して、尾根を下って行った。ソヨゴの花とネジキの花が道にたくさん落ちている。頭上にはエナガやコゲラなど小鳥たちがたくさん来ている。ガンピの小さなラッパ状の細長い花だ。樹皮はサクラのようにツヤがある。赤土のところにはナツハゼが花を終わらせたところだ。

センダイムシクイが「ショーチューイッパイグィー」と囀っている。薄暗いところにギンリョウソウが咲いている。その花の中をルーペでのぞき込んで吉野さんが「ウォー」とうなり声をあげる。森さんの写真展の作品にそのようなものがあったとのこと。どうやら、その視点になるほどとうなずいた声のようだ。

中腹の愛宕神社からの見晴らしは抜群。手の届くところにウラジロノキがある。下りると吉秀大神。薄暗くてまたシダがいろいろ出てきた。途中に湿地があり、イグサとクサイがあり、トンボが飛んでいる。下りると南無阿弥陀仏の石碑がある。そこにかわいいクララ。時間は5:11だった。カラオケを過ぎ、カナクソにヘビノネゴザを見ながら、下財の町並みを楽しみながら山下駅で解散。吉野さんのおかげで、勉強になった。(平田)

PICT0002.JPGPICT0005.JPG974e7d70.JPG







<笹部例会リスト 2011.6.11 植物>
あかね科ヒメヨツバムグラ あぶらな科イヌガラシ(花と種なりかけ)
いぐさ科イグサ,クサイ いちょう科イチョウ いね科イヌムギ,カモジグサ,チガヤ(穂),チヂミザサ,ナギナタガヤ,モウソウチク,ネズミムギ うこぎ科コシアブラ,タラノキ うらじろ科コシダ うらぼし科イヌワラビ,イノデベニシダ,イノモトソウ,イワガネゼンマイ,シシガシラ,ジュウモンジシダ,タチシノブ,フモトシダ,ベニシダ,ヘビノネゴザ,リョウメンシダ えごのき科エゴノキ(花落ちる) おしだ科ハカタシダ おとぎりそう科オトギリソウ(花) かきのき科カキノキ かたばみ科カタバミ(黄色の花),ムラサキカタバミ(花) かにくさ科カニクサ かやつりぐさ科ジュズスゲ,マスクサ(カヤツリグサ),ヤワラスゲ(穂が柔らかい) ききょう科ヒナギキョウ(花) きく科トゲチシャ(葉柔らかい),ニガナ(花),ノアザミ(花),ノゲシ(種),ペラペラヨメナ(プランターで花),チチコグサモドキ(花と種) きょうちくとう科テイカカズラ(落花) くまつづら科クサギ くるみ科オニグルミ(青い小さい実) くろうめもどき科ケンポナシ ごまのはぐさ科タチイヌノフグリ(花と種) さくらそう科コナスビ(花) しそ科ハッカ すいかずら科コツクバネウツギ(花) すいれん科ハス すぎ科スギ ぜんまい科ゼンマイ たで科ギシギシ(青い実) つつじ科アセビ(実)、コバノミツバツツジ,ナツハゼ(花のあと、小さな実),ネジキ(花、落花),モチツツジ(まだ花あり) つばき科チャ,ヒサカキ,ヤブツバキ つゆくさ科ムラサキツユクサ(花)どくだみ科ドクダミ(花) なす科ナス(実なっている) なでしこ科ガンピ(花),ムシトリナデシコ(花) にしきぎ科ツルウメモドキ(小さな青い実) にれ科エノキ,ケヤキ,ムクノキ ばら科ウラジロノキ,カナメモチ,ナワシロイチゴ(花終わり),ノイバラ(花),ビワ(果実) ひかげのかずら科トウゲシバ ひのき科ヒノキ ふうろそう科アメリカフウロウ(種) ぶな科アカガシ,アラカシ,クリ(花におう),コナラ,ナラガシワ べんけいそう科コモチマンネングサ(花、子) まめ科アレチヌスビトハギ,クララ(花)<シロツメグサ(花),ニセアカシア(ハリエンジュ) みかん科 ウンシュウミカン(花と小さい実),コクサギ もくせい科イボタノキ(花) もくれん科オオヤマレンゲ,タイサンボク(花) もちのき科ソヨゴ(落花),タラヨウ やまごぼう科ヨウシュヤマゴボウ(アメリカヤマゴボウ) ゆきのした科アジサイ(花)  ゆり科サルトリイバラ りょうぶ科リョウブ

<その他>
アオゲラ,ウグイス,エナガ,カワラヒワ,キビタキ,コゲラ,シジュウカラ,スズメ,センダイムシクイ,ハシブトガラス,ヒヨドリ,ホトトギス,メジロ
アメンボウの仲間,アワフキムシ,イトトンボの仲間,オタマジャクシ,キセルガイの仲間,シカ?の足跡,スジグロシロチョウ?,トノサマガエル,トンボの仲間,ホウネンエビ,モンキチョウ?

2011.06.11 石道 ゲンジボタルの調査より

 今年が見納めになるであろう石道地区、例年は平田リーダーが調査しているが、超多忙ということで、今回は、やはり会員の大森さんと代理を引き受けた。この日は、市主催の「自然ふれあい講座」の「石道のホタル観察会」をやっていて、その傍らでせっせと数えた。いつもはむしっとする頃だがこの日は少しひんやり感じた。

  夕暮れのなんとか明るいうちに調査で通る畦道を歩いてコースを確認し、だんだんカエルの声が大きくなるのを聞きながら、闇を待って開始。東へ向かう水路や丘の手前の水路は時々だが万遍なく飛んでいる。奥のゴルフ場の丘から田畑に出る水路は、ここ何年か私が見に来た時に比べて極端に少ない。たくさんのホタルが同時明滅することもあったのに、静まり返った闇に時折ふわりと光が見えるだけだった。猪名川から流れ込んだと思われる鯉の群れがいたせいもあるのだろうか。この1週間後に来た時もそうだった。しかし、数日前には多く見たという人もいた。

  そこから猪名川に向かって西に蛇行する、茂った水路では、昨年のように遠くからでもホタルの光で川筋がわかる、ということはなく、一見、少ないなあと思ったが、飛び回らず草に止まって光っているのが意外に多くいて、総数としては、昨年ほどではないにしても400頭近くいて、多めと言えるようだ。

  周辺状況は、今年は、石道温泉の送迎ワゴン車がお客を乗せて2度ほど行き来していた。蛇行の水路辺りで、小さな飼育ケースにどっさりのホタルを入れた親子連れに出会った。小学中学年くらいの少女は虫捕り網をびゅんびゅん振り回していた。思わずムッととして、「それどうするつもり?そんなに振り回したら痛いでしょ。ホタルは小さいから死んでしまうよ。命でしょ、大事にしてやってね。」と言ってしまった。ありがたいことに、大森さんは穏やかにフォローしてくれた。この水路は高速道路設置のため近々壊されてしまうこと。ここのホタルにとっては最後の夏であることなども伝えた。

  幸い、父親は「すみません」と子ども達とホタルを放してやった。ほとんどわしづかみだったけれど。次の機会があれば、「なんで光ってるか知ってる?」と、相手に不快感を与えず知ってもらって、生き物との接し方を考えてもらえるような話の仕方をしようと反省した。また一方、このような人たちは多分想像力に乏しくて、地元の人への気遣いもないに違いない。ホタルを求めてやってくる人が増えれば、傍若無人な行為も増え、地元の人達は嫌気がさすのだろう。尊大な言い方だけど。

  さて、これが見納めかとの感慨にふけるだろうと思っていたが、実感がわかぬままいる。しかし、今回のゲンジボタルの数の調査表を見せてもらったら、ここ何年も石道が桁違いに多い。これがなくなったら本当に寂しい数となる。川西にはホタルの棲む地域があるなんて、とても言えない状態になる。今月の市の広報にホタルの記事が載るようだが、市はここにホタルがいることも、工事でなくなることも知りながら、生息地を調査したり、保護したり、啓蒙活動したりなど全くないのに、いいとこ取りだけして「すばらしい自然環境の川西市」の宣伝に用いるなどお気楽なものだ。ああ、無能な私にできることはないの?
(正井)

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